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2015.02.03

過少申告加算税が課されない場合②

今回のテーマは、『過少申告加算税が課されない場合②』です。

過少申告加算税が課されないケースは2つありますが、
今回は下記(2)について書きます。

(1)更正を予知しないで修正申告をした場合
 (国税通則法第65条第5項)

(2)正当な理由がある場合
 (国税通則法第65条第4項)

まず「正当な理由がある」場合とは
どのような状況・状態を指すのでしょうか。

最高裁平成18・4・20には下記のようにあります。

「「正当な理由がある」場合とは、真に納税者の責めに帰することの
できない客観的な事情があり、過少申告加算税の趣旨に照らしても、
なお、納税者に過少申告加算税を賦課することが
不当又は酷になる場合をいいます」

「正当な理由がある」と認められるのは、例えば、

・税務職員が誤指導したケース
(納税者から十分な資料の提示があった場合)

・税法の解釈に関して、申告当時に公表されていた見解が、
 その後改変され、修正申告をするに至るようなケース

・国税局勤務者が官職名を付して編集または監修した
 解説書の記載内容に従ったケース

などが考えられます。
つまり、納税者が間違って当初申告をしてしまったのも
しょうがないよね、というスタンスの場合です。

この点、国税庁も事務運営指針として
「法人税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて」
を公表していますのでぜひご覧ください。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/hojin/000703/01.htm

さて、「正当な理由がある」場合は過少申告加算税が
免除になるのですが、1つだけ注意すべきことがあります。

それは、「正当な理由がある」ことについての
立証責任は納税者側にあるということです。

このブログや私のセミナーでは常に、
税務署側に立証責任があるので、納税者側に立証責任が
転嫁されるような場合は注意が必要だと言っています。

しかし、「正当な理由がある」場合とは、
過少申告加算税を免除するための「例外規定」であり、
例外規定を適用するのに税務署側が立証責任を
負っているとなれば明らかに話はおかしいわけです。

立証責任が納税者側にあると判示されているものに、
横浜地裁昭和51・11・26などがあります。

「正当な理由がある」を理由に過少申告加算税を
課されないようにするためには、納税者側から
主張・立証することを前提にすることに注意してください。

 

※2011年5月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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