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2014.09.26

行き過ぎた調査はさせない

調査官が税務調査を実施する際に、調査対象者だけを調べる
ということはありません。なぜなら調査対象者が調査官に
見せてくれる帳簿や証拠書類が全て正しいとは限らないからです。

世の中には悪意ある納税者もいるのです。

調査官としては、出された資料を全て信じるわけではなく、
その資料が正しいものかどうかを確かめる必要があります。

税務調査に全く非協力的であったり、帳簿類を一切用意していない
納税者に対しては、『反面調査』を行うこともあります。

反面調査には、文書や電話などで簡単に確認を済ますものもあれば、
調査官が実際に取引先や銀行に出向いて調査するケースもあります。

税務署が反面調査をすることが認められる3つの要件は以下のとおりです。

① 資料の紛失などで納税者(=企業など)の税務調査だけで内容が
確認できなかったり、別の方法で納税者が事実証明をできないような場合
② 納税者の同意が得られている
③ 税務調査は問題となっている必要範囲だけに限って行う

しかし、この反面調査を行うことでトラブルを招くことも少なくありません。

②にあるように、原則「納税者の同意」がないと
行うことはできないことになっています。

しかし、手柄をあせった若手の調査官は、なんとか脱税の
証拠を掴もうと勢い余ってしまうことも多々あります。

もしも、反面調査で、取引先に税務調査が入るようなことがあれば
相手にも多大な迷惑がかかり、会社の信用を失うことにもなりかねません。

また、銀行の調査が行われれば、今後の融資関係にも
影響する恐れもあります。

『信用』というのは、営業上の大切な財産です。
簡単に築くことができない価値なのです。

万が一、取引先を失うようなことがあれば
会社は潰れてしまうのです。

そうなっても調査官が責任をとってくれるわけではありません。

ですから行き過ぎた反面調査には、しっかりと抗議すべきです。
上記の要件を満たしていない場合は特に、
抗議して反面調査を止めさせなければなりません。

必要以上に調査範囲が広がらないように、税理士として
調査官をハンドリングするのも非常に重要な仕事と言えます。

 

※2009年11月当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんので
ご注意ください。

また、ブログの内容等に関する質問は、
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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