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2018.01.31

無予告調査で事前通知を受けたのか?

※2017年8月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

株式会社InspireConsultingの久保憂希也です。

前回は、
「無予告調査の理由は開示されてなくても・・・」と題して、
無予告調査の要件などを解説しました。

この時期は特に無予告調査が多いのですが、
さらに注意していただきたいのは、
無予告調査であっても「事前通知はある」
「事前通知は必要」ということです。

「事前通知がないから無予告調査だろう!?」
と思い込んでいる税理士が多く、
また、多くの調査官は無予告調査であれば
事前通知をしないケースが多いので要注意です。

無予告調査でも事前通知をする旨の規定を
しているのが、下記の事務運営指針です。

「調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について(事務運営指針)」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/jimu-unei/sonota/120912/
第2章2(3)注(2)

「事前通知を行うことなく実地の調査を実施する場合
であっても、調査の対象となる納税義務者に対し、
臨場後速やかに、「調査の目的」、
「調査の対象となる税目」、「調査の対象となる期間」、
「調査の対象となる帳簿書類その他の物件」、
「調査対象者の氏名又は名称及び住所又は居所」、
「調査担当者の氏名及び所属官署」を通知するとともに、
それらの事項(調査の目的、調査の対象となる税目、
調査の対象となる期間等)以外の事項についても、
調査の途中で非違が疑われることとなった場合には、
質問検査等の対象となる旨を説明し、納税義務者の
理解と協力を得て調査を開始することに留意する。
なお、税務代理人がある場合は、当該税務代理人に対しても、
臨場後速やかにこれらの事項を通知することに留意する。」

この事務運営指針は非常に重要な【3つ】の
無予告調査における手続きを規定しています。

(1)無予告調査であっても事前通知をする
(通知項目は上記規定のとおり)

(2)無予告調査で行った事前通知内容と
相違することがあった場合も、通常の事前通知が
ある税務調査と同じで下記要件を満たさないとダメ

国税通則法第74条の9第4項
(納税義務者に対する調査の事前通知等)
第1項の規定は、当該職員が、当該調査により
当該調査に係る同項第3号から第6号までに掲げる
事項以外の事項について非違が疑われることと
なつた場合において、当該事項に関し質問検査等を
行うことを妨げるものではない。この場合において、
同項の規定は、当該事項に関する
質問検査等については、適用しない。

これは例えば、事前通知において調査対象期間を
「3年」とした場合、4年以上遡るには
「調査の途中で非違が疑われることとなった場合」
という要件が必要ということです。

税目の追加も同じで、要件を満たすとともに、
その旨を納税者に通知する必要があります。

(3)無予告調査における事前通知は、税務代理権限証書
を提出している税理士に対しても、
同様の内容をしなければならない

国税通則法改正後に無予告調査を受けたことが
ある方は、その際の手続きを思い出してください。

ほとんどの方が、上記の手続きが正式に
履行されていないのではないでしょうか?

無予告調査においては、先週解説した
その理由・根拠を聞くことも大事なのですが、
そもそも事前通知が適切になされたのか、
この点もしっかり確認する必要があります。

いまだ調査手続きが適正に履行されていない
無予告調査が横行していますので注意してください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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