2014.08.08

国税OB 対 国税

こんにちは。久保憂希也です。

このブログは、元国税調査官の私久保憂希也が、税務調査対策や裏情報をお届けします。

今回のテーマは「国税OB対国税」についてです。

≪国税OB対国税≫

税理士の皆さんから見ると国税出身税理士の存在はどのように映っているのでしょうか?

今回は、元国税調査官の私が思う国税出身税理士(以下、国税OB)について書いてみます。

多くの経営者が国税OBが良いと思っているようですし、弊社のクライアント様や取引先の経営者様の中には、
国税OBを顧問税理士にして安心感を得ている方が多いのが事実です。

しかし本当に国税OBだからといって安心できるのでしょうか?

確かに国税OBがかなり有効だった時代はあるようです。

勤続年数が長ければそれなりに現役国税に知合いも多いでしょうし、国税退官時に税務署長等、上のポジションにいれば税理士になったといえど元部下もかなりの人数。

しかし私が国税に入った2001年から状況は急速に変わっています。

2001年以前からあった公務員へのバッシングが、「国家公務員倫理法」の施行によって明文化されたからです。

この法律により他の公務員と同じく、国税職員も職場外との交流は激減しました。
もちろん激減した交流には国税OBも含まれます。

この流れによって国税内にも通達が出され、
国税OBとの癒着も厳しくチェックされるようになったわけです。

私が考える国税OBの問題点は2つあります。

昔は現役国税に叱責すらできた国税OBは、現実のところ上記の通り、税務調査にも影響を持たなくなりました。

いわゆる「口利き」はもう通用しない時代なのです。

税務署と交渉力があるとするなら、それは国税OBとしてのコネクションではなく、交渉のやり方をわかっているというだけの問題でしょう。

この程度であれば試験組税理士であっても、知識と経験で補うことは可能です。

これだけで国税OBの価値が半分以上なくなったといっても過言ではありません。

もう1つの問題点は、上のポジションで退官した国税OBほど税法をわかっていないということ。

国税内部では管理職以上になると、自分自身が直接納税者の方々と接する機会がなくなり、事実上税法を学ばなければ仕事にならないという状況にはなりません。

特に税務署長クラスになると、税法から離れて10数年という方は普通に存在するわけです。

実務においては数年に1回の税務調査より、毎期の数字が大事。これをないがしろにする国税OBもたくさんいます。

私も国税時代は何人もの国税OBと対峙してきましたが、試験組税理士に比べて、経営者のお役に立っているというレベルの方は見たことがありません。

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