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2018.09.18

「実地の調査」は臨場のみの狭い範囲

※2018年2月配信当時の記事であり、
以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。

先週水曜の本メルマガでは、「調査」とは
対面のみではなく、一般的に認識されている以上に
広い範囲を指すことを解説しました。

さて今回は、「調査」と似て非なる
「実地の調査」について解説します。

まず、法律規定にある「実地の調査」は
通達で下記のように規定されています。

国税通則法第7章の2(国税の調査)関係通達の制定について
(法令解釈通達)3-4(「実地の調査」の意義)
法第74条の9及び法第74条の11に規定する
「実地の調査」とは、国税の調査のうち、当該職員が
納税義務者の支配・管理する場所(事業所等)等に
臨場して質問検査等を行うものをいう。

先週解説した通り、「調査」とは広い範囲ですが、
「実地の調査」とは「調査」の中の
1つの類型を指していて、上記通達のとおり

【納税義務者の支配・管理する場所(事業所等)
等に臨場して質問検査等を行うもの】

に限定されています。

国税庁のホームページにあるFAQの中でも、
「調査」と「実地の調査」とは明確に分けて
解説されています。

税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)
https://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h24/nozeikankyo/ippan02.htm#a18
の問18~23

このFAQの問22にもある通り、

「税務署にお越しいただいて申告内容を
確認するなどの方法で調査を行う場合」

は「実地の調査」とは言えません。

なぜこのように「調査」と「実地の調査」を
区分するかといえば、調査手続きが違うからです。

国税通則法の中で、「実地の調査」という
言葉が出てくるのは、第74条の9(事前通知)と
第74条の11(調査の終了の際の手続)です。

例えば、実地の調査が行われたからこそ
是認通知書が出されるわけです。
実地の調査ではない調査であれば
是認通知書は出されません。

実地の調査があった年分は再調査の規定により、
安易には再調査はできないことになりますが、
実地の調査ではない調査であれば
再調査の規定に該当することはありません。

このあたりは、国税通則法の条文を読んで
理解をしていただきたいところですが・・・

少なくとも、税務調査の手続きに関しては、
「調査」と「実地の調査」を区分して
国税通則法を読んで理解する必要があります。

特に、調査の範囲と、実地の調査の範囲について
誤認している方が多いので注意してください。

※ブログの内容等に関する質問は
一切受け付けておりませんのでご留意ください。

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